育ちの家
第三回「敷地の形状が家に出た」
敷地に立って風景を眺めていると何かが浮かんできます。
今回も色々と思いをはせさせてくれる「場」でしたが、北傾斜で2/3が法面で平坦なところは僅かでした。
太「陽」の光りと温もりを多く採り入れ、広がり有る眺めを確保することを考えた結果が、
4m*12mの単純なプランに落ち着きました。
日差しも良く入り眺めも確保できましたので、当初、悪条件に思えた敷地も楽しいものになっています。
勿論通風も抜群で、風の「香」りと木の「香」りが堪能できます。
個性の詰まったシンプルな家は家族のふる「里」に成長していくと思います。
第二回 「広がりの確保」
特徴有る敷地の関係で4m×12mの長方形の平面に家族4人の生活が収まる家です。
実に単純なプランなので、広がりを確保することで変化を考えています。
横に長く空間を繋げています。
二階の天井に垂木を見せて繰り返しによるリズムを表現して特徴を出しました。
和室コーナーの先、東側のデッキから八王子中心街に建つ高層建築を遠望して楽しむことが出来ます。
北側には広い開口を確保して掃きだし窓を設置。
将来ここにデッキが設置されるはずです。
しかもキッチン隣接ですから夏のブランチにはもってこいの場所になると思います。
ロフトには開口を廻る回廊が特徴的な空間を創っています。
子供の運動場、展示ギャラリーそれとも...何でもござれの楽しい場所に成ると思います。
ここには、キッチン収納と一体の階段を昇っていけます。
一階は、仕切りなしの子供部屋、書斎コーナーと子供の遊び場と工夫次第でどうにでもなる空間です。
第一回 「すっぴんのインテリア」
この家の特徴の一つが、建物の軸組と仕上げにあります。
集製材と金物に依る仕口を表しで、合板を着飾った壁の仕上は「すっぴんのインテリア」そのものです。
まずは、ここまでで完成ですが、間仕切りも最小限にしたワンルームで、生活スタイルに合わせてカスタマイズできる仕上げと空間になっています。そして、ご主人の希望で将来、デッキの増設もお考えの、広がりが作れる家でもあります。
この家に、家族の成長と暮らしの変化に合わせて「育ちの家」と名付けました。