「温もりにゆったり暮らす」
その2
既存住宅は南側ほぼ中央に玄関があります。
入って、右側(東側)のピロティにより持ち上げられた部分にリビング・ダイニング、左側(西側)の庭に面した部分が各個室という構成でした。
これからの暮らしを考え必要なスペースを吟味して、一部は納戸として改修対象外とし手をつけないことにしました。
OMソーラー採用でオープンな間取りが可能になり、庭に面したスペースをリビングダイニング、東側の朝日に充ちるスペースを寝室に入れ替えて再構成しました。
キッチンを含む水廻りは、北側にまとめ、さらに、北側への眺望と風の通り抜けを考えた配置に変更しました。
リビングダイニングからは大きく育った庭木に対して視覚的・物理的にも開放感を持たせるために、左右に分かれる2枚の木製引込窓を設置し、庭との一体感も演出しています。
天井も庭に向かってなだらかに連続するような曲面としました。
東側に移した寝室は書斎コーナーとクローゼットを併設したひとつながりの部屋で東・南・北面に木製窓を設置し、それぞれの窓からの眺望と陽当たりの変化を満喫できます。
玄関をはさんだ西【オープン:リビング】と東【プライベート:寝室】を異なる天井形状と開口部の計画にすることで、それぞれ違った暮らしの楽しみ方ができる温もりのある住宅へと生まれかわりました。
その1
クライアントは、仕事の関係で長年都心暮らしをされ、週末をゆったり過ごす場所としてこの住宅での生活を楽しんでいらっしゃいましたが、親が永年愛着を持って暮らしていた家を終いの住まいとして安心、安全、快適に暮らすことを目的に大規模改修をされることになりました。
北斜面の崖地にたつ、築47年の木造平屋建て住宅の大規模なリノベーションです。
軒先の水平性を強調したモダンな住宅ですが、木製建具や断熱材の性能が低く、快適な生活を送るうえで問題がありました。
そこで、耐震診断により耐震性や耐久性を向上させました。
高性能断熱材を使用し、既存サッシを断熱性能の高い木製窓に取り換えて、居住環境の快適性を向上させ、OMソーラー採用でエネルギー節約を目指しました。
既存の陸屋根の一部を集熱のために勾配屋根に変更しました。周りの家に違和感をもたせない屋根設計です。OMの暖かい空気の通風と蓄熱にも工夫を凝らしています。