土間のある二世帯住宅
第三回 「暮らしの変化へ」
部屋in部屋として、家族それぞれのスペースを設けています。
お子さんは日常生活に必要なスペースのベッドと収納を備えた個室がありますが、勉強と自分時間を楽しむコーナーは別に設けました。
お子さんが巣立ったら一部屋にして広い予備部屋にすることができます。
ご主人は、二階寝室の南側奥に書斎を独立させました。
階段ホールに面した壁に小窓を設け家族の様子も分かり、一人時間を過ごせる小部屋としました。
夜でも邪魔されずに過ごせます。
一階西側奥の両親の寝室にも書斎コーナーをしつらえました。
父様の現役時代の書籍等を並べていつまでも若い気持ちでいてもらえればとお母様の配慮を形にしました。
また、板土間に続くこの書斎コーナーを通ればぐるりと回遊が出来、運動になります。
引き戸で仕切れますが、寄り添う二世帯になるプランとしました。
お母さんは趣味を楽しむためのコーナーをキッチン周りに設けました。
司令塔のような場所で居間と庭を一望できます。一休みは一階の居間になるのでしょうか。
奥様のコーナーは特に設けていませんが二階居間でしょうか。
airbnbという自宅等を宿泊施設としてサービスを提供する会社をご存知でしょうか。
遠い将来家族構成が変わり部屋が余ってきます。
今までは使用されない荷物の納戸部屋になっていましたが、今後は例えばairbnbで一時的に貸し出して維持費程度の収益は得ることも考えられると思います。
広い家を単に維持するだけではなく余ったスペースを活かすことも大事と思います。
そんなことも可能な家ができました。
第二回 「土間のあるプラン」
敷地は道路から奥まっており住宅が周りに建て込んでいます。
部屋からの視界は南西の角が抜けておりここに両親の部屋を設けました。
庭には大きく育った木々がありましたが、見晴らしと目隠しを考え、最小限に残すことで、日当たりと緑の風景を楽しむことができます。
内部に広めの土間を設けることは施主の希望でした。
当初は仕上げにタイルの土間を考えましたが広がりに難を感じ外部のデッキと一体化を考えることにしました。
そこで、玄関ポーチから玄関内、居間の一部を取り込んで板敷きの仕上げになりました。
これを板土間と呼んで室の内と外を一体化しデッキへと繋がることで回遊をすることができます。
雨の日でも庇の下を通れば濡れずに小散歩気分が味わえますし、外歩きが難しくなっても自宅で安心して体を動かすことができます。
フルオープンになる木製引き戸を開ければ広いデッキでホームパーテイーも開けます。
メリハリをつけた日常を楽しむことができる「板土間」です。
第一回 「こんな二世帯住宅提案」
同居する理由のほかに、どの組み合わせの同居なのかは計画に大きく影響をします。
娘夫婦なのか、息子夫婦なのかで計画のアプローチを変えています。
娘夫婦であれば緩やかな暮らしの関係性か積極的な関係を提案しますが、息子夫婦の場合はほとんど完全別居スタイルが喜ばれますし、経験からしてそのほうが良いと思っています。
勿論、人それぞれですが。
今回の計画は、娘さん夫婦との同居で気兼ねのない暮らしがお互い楽しめると、お話の中で感じました。
一階に水回りとキッチンを設けトイレは親の寝室近くそして、二階にコーヒーブレイクができる程度の湯沸しコーナーがご希望でした。
リタイアされている親世帯と働き盛りの子世帯ではくらしの時間帯は大きく違います。
日頃は時間帯でキッチンや居間を使い分けていただき、週末や休日は食事を一緒につくって一緒のテーブルを囲んで食事をする。賑やかな団欒の場になると思います。
同居は各世帯の持っている生活用品、荷物の量の多さが問題になります。
ご家族は2+4の六人です。
親の世代は特に荷物が多いのが一般的で、使用しなくなった物、記念として残してきた荷物があり、それらを新居に持ち込むと荷物の隙間に暮らすことにもなってしまいます。
そこで、これからの暮らしを楽しむものと必要なものを残して、お母様が見事に断捨離を考えてくれました。
暮らしが見えてきました。
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