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旧林愛作邸
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近代建築の三大巨匠の一人にフランク・ロイド・ライトがいます。日本では、帝国ホテルの設計者として有名です。日本には、明治博物館に移築された帝国ホテル(玄関)を含めて、彼の作品が4つ現存しています。今回は、そのうちの一つである、旧林愛作邸が風のうわさで解体、移築されるということでブログの記事にしたいと思います。
写真 は左 遠藤新、中 ライト、右 林
林愛作は、帝国ホテルにおける初の日本人支配人だった人です。旧知のライトをアメリカから呼び寄せて、ホテル新館の設計を依頼しました。ライトのこだわりにより、工期は遅延し建設費も予定額を大幅にオーバーしたのを、かばい続けたのが林でした。しかし、宿泊者に犠牲者が出たホテル失火の責任をとり林が退任したことで、ライトも大事な理解者を失い、ホテル新館完成を見ることなく離日を余儀なくされました。
日本におけるライトの最大の理解者であった林愛作の自宅ということで、ライトもその設計には相当気合を入れたようです。日本にあるライトの4作品のうち、彼が日本滞在中に完成したのは、この林邸だけだったことからも、そのことが伺えます。
現在、林愛作邸は電通の厚生施設になっており、通常は非公開となっています。しかし、年に数回、世田谷区主催で見学会が行われることがあります。
私は恥ずかしながらライトを研究していたにも関わらず、一回も旧林愛作邸に訪れていません。しかしながら、解体、移築というものには設計者の意図等大切なものが失われると思います。
北條 巧