可喜庵亭主ブログ
ミニ企画展 追悼・木村利三郎
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町田駅から歩くこと15分ほどで木々に囲まれた芹が谷公園に到着します。この公園の魅力の一つである煉瓦積みの落ちついた建物・町田国際版画美術館があります。町田の文化的シンボルですが、駅からの道筋も明確ではなく、美術館通りのような沿道に各種のお店が点在して、楽しませる仕掛けがあればといいと思うのですが残念ながら版画美術館は孤立して寂しく谷戸にあります。
時間調整のつもりで訪れたら、4月9日までの日程で「追悼・木村利三郎」が開催されていました。「リサ」こと木村利三郎は全く知りませんでした。版画美術館所蔵のスクリーンプリント、リトグラフ、版画シリーズで、鮮やかな色彩と「CITY」の構図に魅力を感じた33点のミニ企画展でした。多くの作品はNYを題材にしているが、アムステルダム、ロンドン、ベルリンもあり、「バベルの塔」に重ねたと思われるWTCはあの悲劇を予見していたのでしょうか。
1924年横須賀に生まれ30歳で画家を志し、1964年40歳のときに単身渡米しマンハッタンに居を構え製作開始。以来ニューヨークで、都市の崩壊と再生、宇宙をテーマに亡くなるまで制作活動を続けていたそうです。生涯のテーマとなる「CITY」シリーズで注目を集めるようになった。
「リサ」の作品は、都市の変化する魅力を語っていると考えました。町田の町はどうでしょうか。中心市街地から版画美術館への街並みは人を引き付ける仕掛けもなく魅力からはかけ離れた寂しいものです。せっかくの「美術館」も宝の持ち腐れです。入場料も無料です、お出かけください。