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住まいの耐震博覧会 2018 その1
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総合建材商社ナイス主催の『住まいの耐震博覧会』に行ってきました。東京ビックサイトにて毎年開催されている、「地震に強い住まい」「省エネ・快適な住まい」「最新商品」に関する展示や講演などのイベントです。耐震に関する技術は出し尽くした感もありますが、振動模型や地震体験車などでわかりやすく学び体験ができます。
「全ての家に高性能の恩恵を」をテーマにした講演では、断熱・気密、省エネの性能を高めることはオプションや付加的な性能ではなく、全ての家が満たすべき基本性能であることが強調されました。特に、足元が寒いと不快で血圧が上り、命の危険があること。そんな家で育った子供には、「戸建=死ぬほど寒い」という意識が刷り込まれ、断熱・気密の悪い家は次世代に継承されない(=子はすぐに壊す)という話が印象的でした。新築だけでなく、「死ぬほど寒い」家の断熱・気密改修は急務です。光熱費に35年で1000万円を支出しているという試算もあるそうです。「“ガマン”しないで高断熱・高気密化を考えていただきたい」と強く思いました。イギリスでは、低断熱の家を無駄に暖房して、光熱費ばかりがかさむ「燃料貧乏」が社会問題となっているようです。
画像はイギリスの住宅。窓からも壁からも熱が逃げている様子をサーモグラフィカメラで紹介していました。
「熊本地震から学ぶこと」のテーマでは、「設計をしないこと」がキーワードでした。耐震に関する設計とは、ともすれば、耐震等級3にするためのギリギリの耐震性能を追求するという側面もあります。バランスを考えて耐震壁を少なくするよりは、開口部のない壁をすべて耐震壁とすると、必然的に基準法の2倍くらいの耐震性能になり、材料のバラつきや想定外の地震に対しての余裕となる。という考え方が「目からうろこ」でした。耐震改修にも費用はかかりますが、地震の被害を受けて補修する費用に比べればわずかなものなので、「地震後も安心して住み続けられる家」への耐震改修をぜひ考えていただきたいと思います。(小栗克巳)