山並みを望む
-土地を読む、暮らしを編む-
以前暮らしたことがあり土地勘のある相原町で、住まい手が偶然見つけた土地から家づくりの話は始まりました。南斜面の中腹にある旗竿敷地で、北側道路から階段を10段程降りたところに土地があります。南側の隣地は斜面に沿って1段低くなっていて、2階からは山並みが望めそうです。もちろん陽光も。
住まい手にとって終の棲家となる今回の計画では、水回りを含め生活空間をワンフロアーで完結することが求められました。また、後々の2世帯居住の可能性、長期滞在の友人用の客室、友人が集えるフリースペースを確保することもご希望でした。
眺望と要望から、2階をメインの居住スペースとすることが決まりました。玄関は、敷地の段差を利用してブリッジをつくり中2階(階段の踊り場)部分につくることに。上下階の気配を感じられ、それぞれの階にアクセスもしやすくなります。そして、玄関を経由する階段は、移動することで気分を切り替える空間装置にもなります。
2階からこぼれる陽光に誘われて階段を6段ほど上ると、山並みを望む和室に至ります。活動的な住まい手のもう一つの要望は、「山並みを望み寛ぐ」こと。出かけるためのホームとなる場所をつくることでした。