天空の家
第三回 「1階と2階、どちらを選びますか?」
眺望と各部屋の配置、1,2階の配置生活の中心(居間・食堂)を2階に
設計をするにあたって、まずはじめに考えるのが
'主となる空間'をどこに置けばよいのかということです。
主の空間とは一般的には、家族が集まる居間や食堂・台所のことですが
生活の中心をどこに置くのかということは
どのような暮らしがしたいのかという、その家のテーマそのものともいえます。
家族構成や生活スタイル、または敷地環境などを複合的に考え
1階と2階どちらかを選択するわけですが
この家では迷うことなく2階を選びました。
第二回 コラム「愛すべき細部」
建物を考える上で、いわゆる間取りなど、大きな視点から見ることも大事ですが
その家への愛情という意味では、日々目にし、手の触れる細部に
どれだけ親しみを持つことができるか、
ということも大切な要素であると思います。
1.穴倉のようなワークスペース
ひとは
時に囲まれた、狭い場所に入ってみたくなるものではないでしょうか。
階段の踊り場を利用したこのワークスペースは、本を読み、書き物をするには格好のスペースです。
恵まれたこの高台の見晴らしを、どんな風に活かそうか。
内と外を繋ぐために何を仕掛けるか。
そして愛すべき細部を設えた家ができました。
第一回 「敷地と建物の形状」
建物はその場所に合わせた形を造り出す必要があります。
その地域の気候風土はもちろんのこと、周囲の状況や、日の当り方、風向きなども考慮しながら
建物の形を決めていきます。
例えば、見晴らしのよいこの高台の敷地では、良い景色が望めるというメリットと同時に、
風当たりの強さなどにも配慮しなければなりません。
風を受けにくくするにはできるだけ屋根を低く抑え、抵抗の少ない形がよい。
けれども夏の日差しや雨の吹き付けを考えると、
ある程度は軒の出があったほうがよい
といった具合に、試行錯誤を重ねながらこの形が導き出されました。
切り立った傾斜地に建ち、今まさに飛び立とうとも見えるその姿は
まさに「天空の家」です。