おかあさんの、いろいろ
第二回 こだわり その2 「素材」
この家では、随所に木の構造材が見えるつくりとなっています。
梁は、住まい手の御希望で、信州の赤松を選択しております。
フローリングはもちろん、壁の一部にも赤松を使用しています。
赤松は、経年変化で飴色に変わっていきます。
5年後、10年後の姿が楽しみです。
家の真ん中には、建物を支える文字通り大黒柱の杉丸太が立っています。
太すぎず、細すぎず いい感じです。
外壁の一部には、焼き物のタイルを使用しています。
一枚、一枚、焼きむらのある表情の違うタイル
サイズも1枚、1枚 異なり 職人泣かせのタイルでした。
貼りあがった姿は、絶妙な表情で、いい塩梅です。
この家のタイトルは「 おかあさんの、いろいろ」
デザインにこだわり
素材にこだわり
光と風にこだわり
すまい手の想いがつまった家です。
第一回 こだわり その1 「屋根」
家とは、家族を包む器
この家では、そのイメージをアプローチから見える屋根で表現しました。
丸みをつけた屋根でポーチを大きく覆っています。
屋根を建物から大きく跳ねだすため、屋根の丸みに近い太鼓梁を建物の内部深くから跳ね出しています。(天秤の原理で梁を跳ね出す、跳ね木といいます)。この梁は、家の中では露出し、空間のポイントともなっています。
通常 屋根の周りをぐるっと回ることとなる雨樋を隠すデザインとしています。屋根の中に樋をつくる内樋という方法もありますが、豪雨時、雨樋が詰まったときなど、屋根裏に水が廻ってしまいますので、通常通り樋を付け、樋の先端に屋根なりの形状のものをつけ樋を隠す工夫をしています。雨樋の下の排水用の屋根裏のスリットは、屋根の伸びやかさの演出にも一役買っています。