株式会社 鈴木工務店 ものがたり奏でる家

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建物完成見学会のときに、担当者が住まいについて、イラストや写真を用いて解説しています。

好きな居場所が見つかる家


第三回 「好きな居場所が見つかる家」


「老後の生活も視野に入れながら、緑に囲まれてのんびりとくつろげる家をもちたい。

「家族の気配が感じられ、家族が集う場が一番快適な場になるようにしたい。(眺望・室温など)」

「外観:シンプルで少しボーとしている感じ。いろいろな角度から庭の緑を楽しみたい。」

設計カードの「プランに対する希望」にお書きになられた一部ですが、これからの暮らしへの思いご要望がはっきりしていたので、計画段階からキャッチボールが愉しく進んだように思えます。

最も重きを置いたのは、家族の好みとその時々によって自由に一人で過ごせる居場所と、時には皆で集れる居場所を考えることでした。そして、お互いの気配を感じられる空間の関係性も考えました。

そこで、居間に吹き抜けを設けて上下階の繋がりを考えました。南側には二階建て住宅が迫っており一階への冬の直射日光がほとんどありません。開口部を設けて太陽熱と光を取り込むことにしました。
和室は陰影礼賛の空間ですが、屋根に降り注ぐ太陽の熱を家の中に取り込んだパッシブな技術で気持ち良く落ち着いたひと時が過ごせる部屋です。

空気の動きで室内も清々しく冬は暖かく、庭の緑を楽しめる「好きな居場所が見つかる家」です。

第二回 「 平面をみる」


設計カードにお書きになった要望から思いを読み取り、敷地を読み込んで形にするのが平面計画です。
この家では、オープンな平面でありながら隠れ部屋もあって大らかに皆と過ごせる場所と一人で過ごせる居場所を多く作ることでした。
広さのある玄関ポーチは気持ちがいいものです。ここでは屋根で覆われてポーチがあり自転車の駐輪場であり、買い物荷物をベンチに置きながら雨の日でもゆっくりとできる広さがあります。玄関ではあまり他人の目を気にしたくないものです。玄関周りの植栽の配置と枝振りが視線を気にならないようにしています。樹木の生長に少し時間が必要ですが。
  玄関扉を入ると、奥行きのある通路的なホールで収納スペースを北側壁面に造りつけにして内外のモノの交差点の役割をしています。
  ホールを抜けると30㎡(約18畳)のLDK(居間・食堂・台所)とオープンな階段が一つのスペースに収まっています。南西角には吹き抜けがあり上下階の空間をつなげまた熱と空気の動きを助けてくれます。人の気配も感じることができます。
  一階東への廊下の先には寝室である和室を設けてあります。この和室はLDKからは「離れ」的にしてあり濡れ縁と庭が付いた平屋の個室です。夏は軒により直射日光が遮られ涼しい居場所になります。また、陰影を楽しめ落ち着いた「離れ」です。
二階ホールの吹き抜け周りの手摺は本棚にもなっており読書を始めとした自由に時間を過ごせる居場所です。このホールを囲んで独立した二つの子供部屋を北側に設け、さらに来客にも対応できる予備部屋を作ってあります。子供部屋の間には机が置けるスペースを設けました。

繋がりを大事にしながらも一人になれる居場所を設けた平面です。

第一回 「敷地をみる」

pers240敷地は北側に5,6階建てのマンションが聳え、南と西には二階建ての住宅が迫っています。
幸運にも東はいまだに平屋の家がありますが、将来はわかりません。

道路から3m幅の敷地延長の奥に敷地があります。
家までのこの敷地を路地として生かし、玄関ポーチを広くとり庇を大きくかけて深みを強調し、家族へそしてお客様へのウエルカム感を出してみました。

sketch建物配置は、冬季の日射を確保するのと、緑を楽しむために南側を開けています。太陽光を一階に届けるために二階南西角に吹き抜けを設けてあります。
料理の支度をしながらも高窓からの光線、空模様を楽しむことができます。
また、この吹き抜けは階段の吹き抜けと協力して空気を循環してくれます。自然の力で。

そして、家人が日頃から家の周りを管理できるように建物を配置し植栽もしました。

敷地の状況を活かしたプラン、配置のパッシブな家になりました。


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