株式会社 鈴木工務店 ものがたり奏でる家

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建物完成見学会のときに、担当者が住まいについて、イラストや写真を用いて解説しています。

梨花に集う


第三回 「気持ちの良い暮らし」




南の庭から、明り取りの小屋が載った一枚の大屋根が印象的な家です。古来、日本の家屋はすっきりとした大屋根に特徴がありましたが、近頃では、屋根も敷地から望むことが少なくなりました。この大屋根の下にはオープンな間取りが広がっています。平面的だけでなく、立体的にも空間をつなげることで自然に気配と風の流れを感じることができます。玄関に一歩踏み入ると、勾配の大屋根に覆われた大空間に包まれた、土間、食堂、台所と北側の和室、居間を一望できます。一階の和室と居間の窓を通して、春に白い花を咲かせる梨の木がある畑へと視線を運んでくれます。見上げると二階の間仕切りに取り付けられた障子からは光が漏れ、空間の繋がりを感じることができます。

シミュレーションで、Q値1.8、C値0.50のこの家の暖房、冷房は、天井裏に設置したダクト配管の14畳タイプのエアコン一台で一年を通じた暮らしを計画しました。もっとも、暮らし方により一概には言い切れませんが、家の前に広がる畑を抜ける風は、きっと夏の冷房をほとんど不必要にしてくれると思います。

まさにエコな暮らしが、「故郷」を育み次世代へ家を「継続」してくれるはずです。


第二回 「職と住」


小黒邸内観2

希望や暮らしのイメージを整理する「住まいづくりの構想」の最初が・「平屋+一部二階」で、次に「土間(昼食、お茶が飲める広さ)がほしい」でした。「土間」は玄関を兼ねており、イメージは農家の玄関土間と理解しました。畑仕事の一服や食事を野良着のままで済ましたいとのお話をしてくれました。土間には、café気分を楽しめるコーナーも準備しました。台所(キッチン)は家の司令塔で、奥様の家の中を一望したい望みをかなえて南向きの食卓(ダイニング)を挟んだ土間近くに設けています。

玄関土間とは別に勝手土間も設けています。農作業後の衣服の汚れは、勝手土間の外に設けた庇付の洗い場で泥を落として風呂場へ行けます。施主の職と住を反映した家づくりですが、間仕切りを少なくすることで家族の会話や様子がわかる、大らかな暮らしが可能な家を目指しました。

第一回 「継続」

 

 

先祖が信州諏訪の出身で、この地へ来てからも16代を数える旧家です。この地で梨の栽培を始めて今日も継続をしている数少ない一件です。周りはマンションが立ち並ぶ風景へと変わっています。今回の敷地には祖父が建てた家がありました。隣地には今でも施主が育った親の家があります。17代目のお子さんの誕生を機会に古屋を建替えることになりました。

敷地の周りには、梨畑と畑が広がる里の風景を楽しむことができる街中とは思えない風景が広がっており、梨の古木が手を広げる様に枝を伸ばしています。

継続する家ですが、住まいは世代が変わるたびに家を建ててきているのを、数世代暮らし続けられる家を建てるかが最も考えたポイントです。


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