パン屋さんと花と富士
出典:kaki no tane vol.17 より
パン屋さんと花と富士 K邸
大好きな北海道に住めたらいいな—とぼんやり思い描いていたが、この土地に出会い「お風呂から富士山を眺めたい」と家づくりを決めたKさん。鈴木工務店の先輩施主でもある、美容室pirikaさんから「建てたら家が楽しくなって出かけたくなくなるかもよ」と言われていたけれど、そこは当たらなかったようで
「今年は年賀状のために揃って槍ケ岳に登ってきました!」。山登り仲間と出かけることも多く、ご主人はマラソンと自転車、奥様はマラソンと水泳が特技。奥様もトライアスロンに挑戦してみようと自転車を新調されたそうです。
「家を建てる前と建ててからは、旅に出かけた時の視点が大きく変わったように感じます。お庭とか、お寺とか。」これまでよりずっと興味が深まったそうです。
家を建てよう、と方向が決まると「薪ストーブは絶対はずせない、将来はカフェを開きたい、と考えが具体的になっていきました。間取りソフトを使って自分たちなりに研究もしましたが、鈴木工務店では要望を全部伝えて、ゼロから考えてもらいました。」
Kさんの家には、カフェのお客様と目線を合わせるためにキッチンの床を低くした段差があります。「この段差を楽しむのは若いうちです。定年の時に大規模リノベーションされる方が多いようですけど、理に適っているんじゃないでしょうか。きっと私たちもその年代になれば今と違った趣向を持つように変化していくでしょうから。」夢をアクティブに実現していくKさんらしいと感じました。
お料理が大好きな奥様は、熱心に続けているパン作りのレッスンに加え、健康自然食の勉強にも取り組んでいます。長野で定宿にしている『なかよし』の食事のあまりの美味しさに感激し、料理を手伝ったのがきっかけだそうです。「どんな調味料を使っているのかチェックして、同じものを手に入れてみたんですが、お酢やらお醤油やら、びっくりするほど値段が高いんです!でも味を知ったら元には戻せませんね。(長野で二人でお手伝いした)お米のハゼ掛けには燃えました。」愛情こもった料理が並ぶ食卓は最高の贅沢です。「うちはとにかくどこでもゴロゴロできるリラックスできる家なんです。食後にすぐ寝ころべるようになっているのが疲れなくていいんです。原風景はちゃぶ台のある居間だったんですが、その実家がテーブルとイス生活に変わったのには違和感を感じてしまいました。」
庭を囲む板塀には角を上向きにした角材がついていて雨水がたまらない仕掛けです。地域猫たちがうまいことキャットウォークして自由に行き来していました。庭にはストーブ用の薪置き場と畑も設えています。「今年の夏は雨不足の猛暑で庭の畑の収穫は厳しかったんですけど、旅行で一週間枝につけっぱなしにしておいたトマトが凄く美味しかったんです。」とKさん。自然や変化すること、手間暇を惜しまないことが楽しくて仕方がないというご様子です。
ご主人はお仕事で食事時間が不規則になっても、食欲満点だそうです。一日2〜3万歩歩くほど体をよく動かしてよく眠れて、とても健康な生活スタイルです。