”中村好文さんと巡る韓国の旅” Ⅱ

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砂地4

ジャリジャリジャリ・・・韓国民族村や河回村(ハフェマウル)を歩き回っている時、

砂地を歩く・・・この独特な感触と、音を、楽しんでいる私がいました。

子どもの頃、一人っ子の私は、夏休みに行く祖父母の山口の町を、

遊び相手がいなく手持無沙汰で、ただただ、一人歩き回っていました。

ジャリジャリジャリというその音は、その忘れていた、遥か遠い思い出を引きずり出してくれたのです。

おそらく日本も韓国も懐かしく思う、同じような光景を、持っているように思います。

御徒町 渋谷六本木 日比谷

ソウルにしても然りです。左から、御徒町?原宿?六本木?日比谷?そんな風に見てしまいます。

されど、東京の街と同じくソウルの街も、動物的、感覚的な私には、元気さを感じられませんでした。

なんとなく疲れてしまっている、飽きてしまっている様な・・・

 

世界全体が先が見えない昨今、都会の街が、薄っぺらく感じてしまうのに対して、16世紀以来の河回村(ハフェマウル)は、静かな強さを感じます。

村

 

静かな強さと言えば、韓国民族村で、84年間、真鍮のはしやスプーンなどの鋳物の型を一生懸命作っている双子の職人さんが、いらっしゃいました。

彼らの年齢を考えると、まさに激動の歴史の流れの中ですが、ただひたすら自分達が納得するものを作っている、その日々の繰り返しが84年間という歳月に過ぎなかった、とでもいうような、静かな強さが、

そこにはあり、感銘いたしました。

おじさん1双子1hu2双子

ただひたすら自分達が納得するものを作っているのは、木工作家ヤン ビョンヨンさんも同じです。

1人用のテーブルとして使われるお膳【ソバン】。椅子とテーブルの生活が韓国でも主流となり、

本来の用途で使われことが少なくなってきた中で、彼はその良さを残したいと、

高校で建築、大学で産業美術を学んだ後、この世界に入ったようです。

 

日本の柳宗悦に傾倒し、日常生活で使われる道具の美しさ、奥深さに目覚めたとのことですが、

その作品の美しさ、洗練さは、世界各国からオファーが来る域に達してます。

昨年フランスで行われた展覧会では、NYプリズンタワーをデザインしたポーランド人の建築家から、

1つ1つの脚のカタチも違う、斬新的なお膳【ソバン】を頼まれたようです。

工芸1工芸2工芸4 工芸5

先が見えなく、元気のない世界事情の中においては、

ただひたすら自分の追い求めるものを追求することそ、大事なことかもしれません。

迷うことなく、ぶれることなく・・・

”いえづくり”というクリエイティブな作業に関わる私達においては、尚更であると、

今回の旅行で、勉強させていただきました。(FB西野博子)

クリエイティブ

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