チェルノブイリと福島で起きた原発事故の取材を続けている
写真家中筋純さんの展覧会「流転 福島&チェルノブイリ」を観てきました。
彼が言う「風景は黙して語る」という言葉に、
これぞ究極の見える化では?と心打たれたからです。
新聞で紹介されていた福島原発で放置された料亭の室内等、
廃墟と化している街々に心痛める以上に、
意外にも想定外で、私の心に残ったのは、
人々がいなくなったその跡地に、強く根付く植物のパワーでした。
例えば中筋さんが『太古の地球の姿』を感じたというチェルノブイリでの、
ニョキニョキと生えてきた1本のキノコであったり、
誰も住まなくなった部屋の床から、割って出てきた植物であったり、
走らなくなった線路の上を、『かさぶた』のように覆うグリーンなどなど・・・
「風景は黙して語る」
津波地震は、自然の脅威でしたが、
皮肉なことに『かさぶた』と表現していたように、
私達はその自然にまた、癒されるもするという現実・・・
地球においては、ある意味、人間だけが愚かな行いを繰り返しているのかもしれません。
自然の前でも、ちっちゃな自分・・・反省です。(西野博子)