2016年JIA環境建築賞でビオフォルム環境デザイン室の「里山長屋」が優秀賞を、イチ・デザイン・ラボの「森の中の森の家」が入賞した、二つの建物見学に参加してきました。
「里山長屋」は、里山風景が満喫できる神奈川県藤野に、南向きの緩い傾斜地で、各戸の家庭菜園の先は障害物もなく素晴らしい風景が周囲に開けていました。山道のような道路の近い位置に、床面積が最も広い25坪のコモンスペースをスタートに、四軒の長屋が続いています。このコモンスペースには唯一の共同風呂が設けてありました。貫構造と木舞下地の土壁の伝統工法の技術を大切にしながら新しい技術も取り入れたそうです。木舞を化粧に見せた土壁は砂漆喰の中塗り仕上げでした。住民は皆さん不在で暮らしの様子をお聞きできませんでした。
二軒目は山中湖町の湖畔近くの森の中に建つ白い小さな家でした。内部は間仕切りのないワンルームで、土にセメントを少し混ぜ固めた厚さ10cmの版築が家の大黒柱と蓄熱体として力強く天井まで伸びていました。内部も白い壁で貝を混ぜた砂漆喰仕上げは部屋に柔らかい表情を醸し出していました。アトピー家族のために空気の美味しいこの地にあった、自然素材に徹した家造りにこだわり引っ越されたそうです。
富士山の表情を満喫できた一日でもありました。