五月晴れと薫風にひかれて、向ヶ丘遊園にある川崎市立日本民家園へ出かけました。この四月で開園50周年を迎え、多くの親子と仲の良い二人連れが民家園と公園を散策していました。以前は、無料で簡単に散策出来た記憶がありますが、25件の神奈川県や全国から移築された住宅を中心に充実した建築群になった今はしっかりと管理をされて安心して見学が出来ます。建築群を比較することで、暮らし、風土、時代が建物の形式に違いがあることが判ります。
大小の建物に混ざって、川崎菅の河原に客待ちのための「船頭小屋」は、一間四方の小屋ですが、大雨が降れば4人で天秤を担ぎ安全な場所へ移動可能になっていました。今であれば、半坪は土間の小屋は、自分の空間として、お茶飲み小屋として庭先に置くのも面白いのではないでしょうか。また、18世紀中期に建築されたの長野県伊那の旧三澤家は、屋根が石置きの板葺で、茅葺、瓦葺の中に違った趣です。不思議とモダンに見えてくる建物で、現在免震工事の真っ最中でこの光景もいいものです。
当り前な風景としてあった草ぶきの民家も、そのうち、よその国の建物になってしまうのでしょうか。そうさせないためにもいろんな活用方法で今に活かすことで、残していくことの大事を学べる場です。