『くまのもの』展

東京ステーションギャラリーで開催中の『くまのもの』に、

行ってきました。

 

私がそのお名前を始めて知ったのは、

4年前、社員旅行でスイスへ行った時でした。

 

泊まったズントーのホテルの一室が、隈研吾のデザインで、

電話器の持ち手に至るまで、何から何まで、木、木、木という感じでびっくりしたことと、

そのお名前のイントネーションから、

失礼ながら、森のくまさんと、私の頭の中で、強くインプットしていたので、

東京オリンピック、新国立競技場の一翼を担うことになり、

時の人となった時には、なんとも、なんとも・・・大変失礼なことをと・・・

内心、恐縮しておりました。

 

今回、竹、木、紙、石、樹脂など、扱っている様々な素材に分けて展示してあり、

ドロドロの溶液にし、和紙化している隈研吾は、職人のようであり、

さりとて、また、樹脂を使った作品は、これは、芸術家の仕業だなぁ~と思いました。

 

とても新国立やスコットランドのヴィクトリア&アルバート・ミュージアム ダンディの建築に携わる、

巨匠だけとは思えない。マルチな隈研吾です。

 

しかしマルチにみえて、実は一貫しています。

 

それら様々な『物質とつきあうには、時間がかかるのである。相手は生ものなので、奥が深く、様々に抵抗する。それでもめげずに続けることが一番重要である。ひとつの作品ができると、課題が残り、反省が残る。それを受けて、次の作品がはじまる。
その継続こそが重要であり、その苦悩の連続を、今回は見せたかった。ひとつの作品を残すことが目的ではなく、継続する運動体を残すことが目的である。』

 

まさに継続は力なり。

 

『僕らは、建築を単独の作品と考えずに、継続する努力だと考える。ひとつできると達成もあるが、反省もあるし、次の課題も見える。

それを次のチャンスに生かす。そして、また課題と反省。これを延々と繰り返し、ステップを一段ずつ登る。』

 

渋谷駅、品川駅が変わるのが楽しみです。

 

継続することは、私が大切にしていることの一つでもあるので、

力をもらいました。

 

5月6日までです。

重要文化財の赤レンガに展示されているのも、素敵です。

(西野博子)