可喜くらし「記憶をたどることばの旅」

本日開催した第4期第1回の可喜くらしは、朝日新聞校閲事業部長の前田安正さんをお招きしました。今回は、身近なことばのお話しということもあり、鈴木工務店のお施主様のご参加も多く、素敵な交流の時間となりました。

テーマは「記憶をたどることばの旅」です。前田さんは、就活生の文章指南書としても知られる『マジ文章書けないんだけど』の著者でもあります。言葉のプロであるうえにやわらかい語り口なので、とてもわかりやすく日本語のあいまいな表現やそれをよしとする日本人の気質まで解説してくださいました。お話しを聞いていると、AIが進化しても日本語のニュアンスまでは習得が難しいだろうなぁと、妙に納得してしまいます。

前田さんが例にあげたラーメン屋さんの標語が面白かったので、ちょっとご紹介。「モチモチ太麺&食材23品目 七時間、麺まろやかスープ」。平仮名、カタカナ、英語、アラビア数字、漢数字、なんでも組み合わせ可能な日本語表現ですが、世界でそんなバラエティが許される言語はないそうです。

ほかにもカタカナ表記のもつ曖昧性や文章の書き方などなど、興味深いお話しをたくさん伺うことができました。そのいくつかは、2017年の文章術でベストセラーになった、前述の『マジ文章書けないんだけど』に書かれています。

次回の可喜くらしは特別編で7月7日(土)に開催します。こちらは、建築家の塚田眞樹子さんがご登壇。この春、ウルグアイの大学に招かれて講義を行ったお話しなどをまじえながら、「ウルグアイのこと 日本のこと -つなぐ建築の旅-」をテーマに講演いただきます。 (畑野)