セミナー「暖かい暮らし、涼しい暮らし」ご来場ありがとうございました

先週土曜日に開催したツアー&セミナー「暖かい暮らし、涼しい暮らし」は、雪交じりの天気のなか定員いっぱいのご来場をいただきました。お足元の悪い中ご参加の皆様には改めてお礼申し上げます。

ご参加の方からは、「この冬はずっと暖かかったので、今日はOMXを体感するのにちょうどいい日和だね」とのあたたかいお声もいただきました。OMXとは、太陽の熱で床暖房をするOMソーラーとヒートポンプ式エアコンを組み合わせた全館冷暖房システムです。セミナー当日のように太陽が隠れてしまう日には、エアコンが室温を一定に保つように床下を温めるかたちで稼働します。

この日は、外気温がセミナー開始時14:00頃で2℃台でしたが、室内は20~21℃に保たれていました。温度計の画像を取り忘れてしまいましたが、OMソーラーのエコナビで、リアルタイムも過去の推移もチェックすることができます。

もちろん、お任せ運転でOK。そのエアコンの排熱を利用して給湯したり、室温のロスを低減しながら24時間換気を行う熱交換換気をしたりと、オールインワンで365日働いてくれるシステムです。光熱費が気になるところですが、24時間つけっぱなしなので、トロトロ運転です。つけたり消したりの間歇運転に比べると、建物が冷え切ったり熱くなりすぎたりすることがない分、少ないエネルギーで適温を保てます。また、室内の空気だけを冷暖房する従来のエアコンと比べ、気流感がなく家の隅々まで一定の室温をキープできることも特徴です。太陽光発電も載せているので正味ゼロエネルギーになる計算です。

晴れの日の展示館。太陽の集熱パネルと太陽光発電パネルが載っています

最新のOMXが稼働している展示館ですが、自然エネルギーを取り入れるパッシブデザインで設計されています。パッシブは受動と直訳できますよね。対するはアクティブ。家づくりにおいては、化石燃料をガンガン使って空調するのではなく、自然の力を利用する考え方です。そのためには、自然エネルギーや少ない電力で快適を保てる建物の性能が求められるわけです。断熱性能や気密性能の確保は大前提なのですが、詳しい話は次回以降のツアー&セミナーでも取り上げていきますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

下の写真は、セミナーの後、戸締りの際に断熱建具を閉めるところ。夜間、窓からの熱損失を防ぎます。窓際の土間は美濃焼の土。高度の低い太陽が差し込む冬は蓄熱体となります。夏場は太陽光は入らない分、ひんやりしています。植物を置いても水やりしやすいなど、使い勝手もいいです。建具の室内側の床には、床下の暖気が抜ける格子が見えます。

この断熱建具、セミナーご来場の皆様の関心を集めていました。展示館の建具は真空パネルを木板でサンドした特殊なものですが、一般住宅でも障子や内戸、ハニカムスクリーンなどをプラスするなどして断熱性をさらに高めることができます。雨戸を閉めるよりも面倒が少ないとの声も上がっていました。実際鈴木工務店では、ご要望のない場合には、風害の心配のない立地や箇所には雨戸(シャッター)を設けていない家が多いのですが、その場合でも日没後の室内の熱損失が少ない工夫を提案しています。

もちろん、新築だけでなく、築年数を経た無断熱住宅でも断熱改修で快適性を高めることができます。今週末の1/25(土)には、「戸建てフルリノベーション完成見学会@相模原」を開催。実際の空間で、生まれ変わった住まいを確認してください。詳しくはこちら。 (畑野)