杉の勾配天井

杉板の勾配天井。薪ストーブの煙突が下がっています

現場では、3密の要素は少ないながら(そもそも--まだ密閉状態にない。職人は工程が重ならないよう現場に入る。各人で自分の仕事を完遂する)、体調管理に十分気をつけて粛々と作業をする日々が続いています。

そんな現場のひとつ、根岸の家から。気持が晴れ晴れとするオープンな2階リビングに杉板張りの天井がお目見えです。視線は勾配天井を下り、掃き出し窓の先へ抜け、前面に広がる遊水池の景色へ。オーナーが長年探し求めた、開放的な周辺環境を存分に味わえる空間です。

2階リビングからのながめ。隣接する遊水池を眺める開放的な空間です

景色を眺める大きな窓ですが、実は北向き。断熱・気密性を高めた家づくりで、「北窓は寒い」「結露が気になる」を払拭します。ちなみに、窓は樹脂サッシの複層ガラス。断熱材はセルロースファイバーを採用。プラスターボードを張る前の断熱材にタッチしてみると--ヒマラヤ登山級の超上質ダウンジャケットのよう?。セルロースファイバー(天然木質繊維)がみっちり詰まった手触りに弾力も感じられます。(写真:北條)

仕上げ前の2階リビング。断熱材(セルロースファイバー)がみっちり充填されています。断熱性はもとより、防音性能も高いのです

現場は複数の分譲住宅地で、敷地の南側には隣家が迫っています。南以外の三方向は開けた角地で、とくに北側は公共の遊水池のため、将来に渡り開放的な景色が約束されています。日本の住宅市場や不動産価値を見てみると、いまだに南面信仰が強いように感じますが、ロケーションに合ったプランニングで十二分に満足できる家が実現できることを、もっともっと知ってほしい。設計者も職人もそうした想いを共有しながら家づくりに励んでいます。

夏の初めころに見学会を開催予定。詳細が決まり次第HP等にアップします。
※状況により開催を見合わせる場合がございます