突然エアコンが停止。
ブレーカーを確認してもどれも落ちていない。使える照明・電源もあるが、使えないところもある。そんな時は“あること”が原因かもしれません。
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あること、とは・・・
最近の問い合わせで2件同様の相談がありました。の一部の電気が使えないというもの。停電ではないし、漏電?でも分電盤の中のブレーカーは落ちていない。原因は電柱からの引き込み線に取付けてあるヒューズが切れてしまったことにありました。
分電盤のしくみ
まずは、住宅に電気が届くしくみから。電気は電柱から引き込み線と呼ばれる電線を通じてメーターを通過し、分電盤(ブレーカーのあるボックス)まで通電します。分電盤には一番左に契約用安全ブレーカーという大きなブレーカーがあり、まずこのブレーカーを通ります。次に漏電ブレーカー、そして回路用ブレーカー(たくさん並んでいる小さなブレーカー)へ流れ、各部屋へ分かれていきます。(図1)
最近の住宅の引き込み線は赤、黒、白の3本をひとまとめにして引き込んでいます(単相3線式)。赤と黒が電圧線、白が中性線と呼ばれます。電圧線(赤または黒)と中性線(白)を結ぶと100Ⅴの電圧を得ることができ、赤線と黒線を結ぶと200Ⅴ の電圧を得ることができます。このため、小さなブレーカーが2段に並んでいると、上下の段にはそれぞれ赤白もしくは黒白の線が接続されています。(図2)
赤・黒の引き込み線には屋外にヒューズが設けられています。仮に住宅側で電気トラブルが起きたとしても、電柱より手前で遮断されることによって大規模停電を防ぐためです。
ヒューズ切れの場合
冒頭に触れた、今回の2件同様のトラブルに戻りましょう。ヒューズが切れる場合はほとんどが赤・黒引き込み線のどちらかのみです。それゆえ、一部の電気は使えるが、一部は使えない、つまり上段の回路用ブレーカーに割り振られた部屋は使えるが、下段の回路用ブレーカーに割り振られた部屋は使えないということが起こります。ヒューズが切れる原因は経年によるものが多いようです。
迅速な対応で危険を回避
電柱から個々の住宅の契約用安全ブレーカーまでは電力会社の持ち物となります。そのため東京電力に連絡すると、2~3時間で到着して直してくれます。もちろん修理は無料です。
厳冬期や猛暑のさなかの電気トラブルは生活に大きな被害をもたらします。今回のようなケースを知っておくことで素早い対応ができるのではと考えます。
※参考資料:電気保安協会サイトほか
※今回のお手入れら・ら・ら掲載の『かきのたね』はvol.40(2020年夏号)です。同掲載の巻頭特集「暮らしのスタイル」はこちらからどうぞ