新百合ヶ丘エリアのフリーペーパー『MY TOWN 』鈴木亨の連載コラム、バックナンバー2021.5/15号より
日本の木材自給率は
日本の木材需要量は概ね年間7千万㎥程度で、そのうち3割程度を自国で賄っています。自給率の最低は1995年度の需要量9.9千万㎥に対して自給率18.2%でした。90年代に入り、南洋材の枯渇に伴う輸出規制等でラワン合板が品薄に。また、ロシア材の輸出割当制度により日本の小割材の輸入量が減じ自給率が相対的に上昇。価格高騰と入手に苦労した記憶があります。
ウッドショックの背景
そして現在、「ウッドショック」といわれるほど木材不足の状況です。原因は、アメリカの旺盛な住宅需要です。コロナ禍での暮らしの変化で、郊外移住に伴う住宅着工が好調だそう。すでに「ウッドショック」は昨年暮れから始まっていたようです。アメリカは自国消費で手いっぱいで、品質に煩い日本は面倒と以前から敬遠され始めていたとか。さらには、日本の経済力の低下で買い負けているといわれています。
国産材への影響
4月に飯田市にある製材工場を訪ねました。広い敷地に杉、檜、唐松や栗の原木が積み上げられていました。工場はフル稼働で、加工済みの材は全て売却済み。頑張っても6月末以降の出荷で、新規のお客さんは断らざるを得ない状態と聞きました。この現象は輸入材からの転換によるものですが、一時しのぎでしょうか。これを機に、価格低迷が続いた国産材の国際競争力向上につながることを期待します。
パッシブなデザインの家と国産材のマッチング
自然エネルギーを活かすパッシブデザインハウスには国産材が似合うと考えています。国産材を多用することで山の持続化を応援でき、山の維持管理が川下の暮らしに大きく貢献します。木の家のつくり手として自給率の向上に努めていきます。(鈴木)
※執筆時の4月から現在まで状況は日々変化していますが、依然、木材不足が続いています
いえづくりのオンラインセミナーでもウッドショックについてお話しします
オンラインセミナーともにつくるいえ「SUSUKIのいえづくり--持続可能な木の家とウッドショックのはなし」を開催します。
6/19(土)13:30~15:00 ZOOMにて。詳しくはこちらのイベントページをご覧ください。