エアコン掃除は季節の変わり目に

季刊誌『かきのたね』の「お手入れ ら・ら・ら」のバックナンバーvol.48より。今回はエアコンのお掃除についてお届けします。

エアコン掃除の最適期、家庭でのクリーニング方法

春から夏、夏から秋にかけての季節の変わり目は、汚れがたまったエアコンをしっかり掃除する絶好のタイミングです。具体的にはフル稼働する前の4〜5月頃、10〜11月頃がおすすめです。ただしこれ以外の時期であっても咳やくしゃみ、鼻水が止まらないなど、体調に異変を感じた時にはエアコン内部のカビやホコリによる影響の可能性もあるので、悪化する前にクリーニングしましょう。

築20年のS邸。竣工時は冬はOMソーラー、夏は風通しのみで過ごしていたが、数年前から酷暑対策で壁掛けエアコンを設置。

フィルター等の機内が汚れていると、室内の空気をエアコン内部に十分に取り込めず、エアコンの能力が低下する恐れがあります。1年掃除しないと約25パーセントもの電気代が余計にかかるという検証結果(※1)も。ここでは家庭で行うクリーニング方法を紹介します。

①フィルター掃除 

エアコン前面のパネルを開けてフィルターを取り外し、表面についたホコリを掃除機で吸ってから室内機に戻します。汚れがひどいときは、台所用中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗い、十分に陰干ししてから室内機に戻しましょう。シーズンオフにしっかり掃除する場合は、室内機の奥にある薄いアルミの板がたくさん並んでいる「熱交換器」が汚れていないかも確認しましょう。熱交換器に汚れがたまると、カビの発生や嫌なニオイの原因になる場合があります。ただし、ご自身で清掃すると故障につながる可能性もあるため、熱交換器が汚れている時はメーカー、専門業者への掃除依頼をおすすめします。

壁掛エアコンの室内機で自分で水洗いできるフィルターや自動掃除機能のブラシや受けなど

②室外機周辺の掃除

夏本番前や夏から秋の台風後など、室外機周辺や裏側に落ち葉やゴミ、思わぬ飛来物などが入り込んでいないか確認しましょう。特に室外機の上などに物を置かないようにしましょう。

気密・断熱性能を高めた住まいでは、冷暖房運転はエコモードで常時運転がおすすめ。室内機の結露・カビを防ぎ快適室温が保てます。

気密・断熱性能を高めた現代の住まいは、エアコンの省エネ運転で適温を保てます。逆に間歇運転(つけたり消したり)することで、建物が冷めたり熱くなったりして、その都度建物自体と室内の空気を適温に戻すのに時間とエネルギーを消費してしまいます。また、冷房運転の場合は、つけたり消したりすることで室温とエアコン内部に温度差が生じやすく、吹き出し口や内部の熱交換機にカビの原因をつくってしまいます。

長時間の不在などでエアコンの冷房を切る場合には、運転停止後に内部を乾燥させる機能(内部クリーン等)をオンにすることをおすすめします。(普段からオンにしておくと忘れなくてよいですね)

同じ利用で、冷房シーズンオフを迎えるお掃除では送風運転や乾燥機能を使うこともエアコンを快適に使うために押さえておきたいポイントです。冷房運転の後に送⾵運転を⾏い、冷房中に結露したエアコン内部を乾燥させることが、カビ対策に効果的(※2) であるとメーカーでも案内しています。

③ビルトインタイプの場合
壁掛けタイプ同様、室内機はフィルター掃除が可能です。掃除機でこまめにホコリを吸い取り(メーカーや掃除専門業者推奨は2週間に一回)、汚れがひどいときは中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗いましょう。吸込グリルの汚れが気になるときは柔らかい布で乾拭きを。

※1 ダイキン「エアコン掃除の困りごとと対処法」より一部抜粋
※2 三菱電機「猛暑でフル稼働したエアコン、休⽌期間に向けたルームエアコン意識調査」より一部抜粋
※中機の丸洗いについては年代、機種によりメーカーの対応が異なります

⚠︎お手入れの前に電源を抜き、メーカーの取扱説明書に従って掃除を行ってください。⚠︎機器の故障や不調はメーカーへお問合せください。