2階リビングと敷地の関係 5/27(土)開催「緑を借景」見学会会場より

土地選びでは“整形地”より“風景”にこだわろう

5/27(土)に完成見学会を開催する町田市品工事の「緑を借景」から。こちらは土地選びから並走した住まいです。専用道路を街区の中心に設けた8区画からなる分譲地で、施主Hさんは、はじめ中ほどの整形地に目ぼしをつけました。鈴木工務店では、施主の気に入った土地が出た場合に下見をして建築的なアドバイスを行っていますので、Hさんから連絡を受けて早速設計者が敷地を見に行きました。分譲地の近所には緑の丘のがあるのですが、整形地のほうは隣家が邪魔をして視線が抜けません。一方、分譲地の突き当りで、ちょうど駐車スペースが耳のように飛び出た変形地からは、丘を見通すことができました。おまけに他の整形地よりも価格が低い。突き当り+変形地というネガティブイメージだけで売れ残っていたのです。住まい手にとってもつくり手にしてみてもラッキー!でした。

土地を読む設計で心地よい家をつくる

晴れて、突き当りの変形地を手に入れたHさん。分譲地で隣家との間隔は狭いため、より良い景色を求めて家族の集まるLDKは2階に配置しました。北東・南西に長い敷地で、2階には細長いワンルーム空間が広がります。その両端に窓を設けて、光や風、景色を取り込みます。北東の端にダイニングを配置。作り付けのベンチにダイニング家具を組み合わせます。腰掛けると、高さのある腰窓から丘の緑が見通せます。南西の端はリビングとスタディコーナーで、バルコニーへも出られます。分譲地の道路に面しているので、家族の帰宅や近隣住人の暮らしの気配を感じられます。真南は隣家の壁が迫るため、ハイサイドの連窓にしています。

延床面積約28坪とコンパクトですが、勾配天井の下、視線が抜けるひとつながりの空間をつくることで、数字より広々と感じられます。

また、景色は自分の敷地内にもつくれます。今回は広い庭を確保することは難しいですが、道路から玄関までのアプローチに前庭をつくりました。こうした敷地の余白も、耳のように飛び出た敷地が駐車場として活用できたからなのです。変形地、ばんざいです。

本当の木造住宅のぬくもりと安心感を

日本人の多くが木造住宅で過ごした経験があるはずです。けれど、「実家は柱や梁が見えるつくりでしたか?」と尋ねると、ほとんどの人が否なのです(おじいちゃん・おばあちゃんの家は柱が出ていた、と懐かしむ方は結構いらっしゃいます)。構造材を木で組みながら、すべてボードとビニールクロスで覆ってしまっている結果、木造住宅だけれど単に四角い白い箱の空間となり、マンションとなんら変わらない雰囲気の空間に仕上がっている住宅がほとんどなのでしょう。

鈴木工務店がつくる木の家は、主要構造材に国産の無垢材を用いています。それらをバランスしながら現しにして、木質感と香り、調湿を得るように計画します。もちろん、床も無垢材を貼っています。樹種によって肌触りややわらかさ、色などが異なりますので、実際の木を見て触ってみると自分の好みがわかってきます。ちなみに、今度の見学会では床も天井も節の少ない杉板です。

そして、無垢材は時と共に灼けて、落ち着いた色合いを見せてくれます。経年変化は木の家の醍醐味ですし愛着につながります。

主要な構造材を現しにする効果の一つには安心感もあると思います。柱と梁が暮らしの器を支えているという実感を無意識のうちに得ることができます。今回の住まいでは、2階リビングの勾配天井を登り梁が駆け上がる様子をご覧いただけます。

5/27(土)建物完成見学会「緑を借景」の詳細はこちらからどうぞ

無垢の木の特徴とお手入れについてもこちらのblogで紹介しています。