2023(令和5)年度補正予算案の閣議決定に「住宅省エネ2024キャンペーン」(2023の後継キャンペーン)が盛り込まれました。
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、住宅取得支援事業は内容を更新しながら継続されていく方向です。(※補正予算の成立が前提)
3省連携(国土交通省、環境省、経済産業省)で行われた「住宅省エネ2023キャンペーン」の後継キャンペーンが下記のように発表されました。
①質の高い住宅ストック形成に関する省エネ住宅への支援(仮称)
(こどもエコすまい支援事業の後継事業)
②断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業
(先進的窓リノベ事業の後継事業)
③高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金
(給湯省エネ事業の後継事業)
各事業の受付け開始は2024年3月以降の予定です。(補正予算成立が前提)
また近年、毎年度実施されているZEH補助事業(環境省・経済産業省)についても、例年通りの場合は来年度明けに公募が始まります。
補助事業は申請期限前に終了することも
省エネ住宅を支援する補助事業は、認知度と需要の高まりで申請や公募数も増え、締め切り前に予算に達して終了となるケースが見られるようになりました。昨年度の「こどもみらい住宅支援事業」は3月末が申請締め切りでしたが11月下旬に申請枠が終了し、今年度の「こどもエコすまい住宅支援事業」は12月末の締め切りが9月下旬には枠が終了しています。
家づくりの計画はライフプランや土地取得時期など様々な要因で決まってくるため、補助事業に合わせて進めるわけにもいかないのが実情です。しかし、すでに土地があり計画を考えている段階であれば、事前にスケジュールをチェックしてみることをお勧めします。省エネ住宅は日々の光熱費を抑えられるのが嬉しいのですが、初期投資は大きくなるため補助金も上手に利用できるといいですね。
各種申請業務はつくり手である工務店等が行う場合が多く事業者登録が必要なものもあるため、依頼先選びの時は確認しておくといいでしょう。ちなみに鈴木工務店は来年度も引き継がれる3省連携の住宅省エネキャンペーンやZEH補助事業の登録事業者です。
資金計画に「補助金ありき」は禁物
補助事業を調べて活用するのは今どきの省エネ住宅づくりには必要な準備です。しかし、資金計画をはじめから補助金ありきで組むのは禁物。前述のように補助事業には予算限度額があるため申請や公募に枠があり、予算に達した時点で終了となります。また、交付決定の条件は各種事業で異なりますが、指定期限内の工事完了や引渡し等が含まれることもあります。契約時期や工期などがタイミング的に合致しないような計画を見切り発車的に進めて、結果的に設計や施工段階で不具合が生じたのでは本末転倒です。
補助金は得られるに越したことはありませんが、得られなかった場合に計画がとん挫するようなことのないように準備しておきましょう。資金計画に余裕をもたせるのが一番ですが、トレードオフで省エネ性能以外の工事を計画から除くことを考えておくことも一案です。その場合は、住み始めて必要が生じたときに後からできる工事がよいでしょう。例えば、子ども部屋の造作や外物置、DIYでも可能なデッキなどなど。
逆に住宅性能を担保する工事の優先度を下げることはお勧めできません。耐震をはじめ断熱や気密といった躯体に関わる工事が主となるため、後からの工事は困難だったり割高になりとんでもなく非効率です。
各種補助事業については、最終的には年度末の発表を待つことになりますが、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて縮小することはしばらくなさそうですので、各省庁の予算案が閣議決定される年末のタイミングでチェックしておくとよさそうです。また、自治体による補助事業と国の事業の併用が可能な場合もあります。(自治体の給付金(補助金・助成金)情報 暮らしデータ – goo 住宅・不動産)
家づくりblog「省エネ性能を考えた家づくりでないと住宅ローン減税が適用されなくなります!」もあわせてどうぞ。