電気自動車をお考えの方に。 EVコンセント設置の ポイントを紹介します。鈴木工務店で新築したお客様からのお問合せから。

電気自動車購入にともなうEVコンセント設置のお問い合わせが増えています。数年前の新築時に、太陽光発電やEVコンセント等のインフラは事前に敷設しておいて、時期が来たらEV車とコンセントを導入しようと考えていたお客様が実際にアクションを起こしている状況です。かくいう鈴木工務店も先日、某国産自動車メーカーの電気自動車がやって来てEVコンセントを設置しました。そこで今回は、季刊誌『かきのたね』の「お手入れ ら・ら・ら」のバックナンバーvol.52より、EVコンセント設置の事前確認とポイントをお伝えします。

① 分電盤の確認。設置場所やブレーカーの空きなど

分電盤にブレーカーの空きがあるかを確認します。蓋を開けると、「エアコン」「台所」など名称が記載されたブレーカーが並んでいます。大抵は「予備」または記載無しのブレーカーがあるのでそれを利用します。

また、分電盤とEVコンセント設置場所が離れている場合には配線距離が長くなり、室内に配線露出箇所が生じることを理解しておきましょう。

 ➁夜間充電か昼間充電か

 夜間(就寝時)充電なら家電の使用量が少ないのでブレーカーが落ちる(漏電や過電流等で一時的に電気が遮断される)心配は軽減されます。

昼間(起床時)はエアコンのほか電子レンジや炊飯器、ドライヤー等々、電気消費の大きい家電を使用するため、同時に充電するとブレーカーが落ちてしまいます。

 ③契約アンペア数の確認

家庭での充電は就寝中が大半かと思いますが、昼間充電、また就寝中も各居室でエアコンを使用する場合は契約アンペア(A)を上げる必要があります。

具体的には、20Aの電気自動車1台充電ならエアコン1台(約15A)と消費電力量に大差はありません。家全体の電気使用量契約が40Aだとエアコン2台稼働+EV自動車充電で電力量が足りなくなります。契約見直しのほか、ピークコントロール機能(家全体の電気使用状況を把握して車の充電量を調整する)のあるコントロールボックスや分電盤を設置することになります。ただ高額になるため、契約Aを上げて電気自動車用の漏電ブレーカーのみを付ける対策が今のところ一般的です。

 ちなみに充電方法には、EVコンセントと自動車をコードで都度つなぐ方法と、外壁等に取付けた充電器を車にそのまま差し込む2通りがありますが、充電器はまだ受注生産で高コストなうえ納期もかかります。普及とともに生産ボリュームが大きくなってくると、このあたりの費用や納期は解消されてくるかもしれません。

④補助金は要件を確認しましょう。令和5年度補正予算成立にともなう今後の補助事業についても

駐車場の後ろ(玄関となり)の外物置壁面にEVコンセント用の配線を敷設した新築時のT邸。

国や自治体の補助制度を利用するのもよいでしょう。一方で、補助金の交付には要件があるので事前の確認を。たとえば、東京都のEVコンセント敷設への補助は、再生エネルギー100%利用など条件があります。

年末にかけて国の補助事業については令和5年度補正予算が順次成立しているようです。「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」(経産省)など、11月末頃から年末にかけてニュースとして上がってきています。こちらは対象車の購入にたいするもので、EVコンセント等の充電インフラへの補助は個人住宅は含まれませんが、国の補助事業は地方自治体の補助事業と併用できる場合がありますのでチェックしてみてください。