暮らし替えの選択肢 町田市で木の家をつくる工務店のマンションリノベーション

前回blolgに続いてマンションリノベについて。今回は、その魅力と注意点、そして暮らし替えの選択肢としての可能性についてお話しします。

【マンションリノベのよいところ】

・間取り変更や仕上げ、住宅設備にコストと手間を割ける
・設計施工の工務店だから実現できる、木の平屋に住む感覚
・駅近+住宅性能向上リノベで資産価値を保つ、生かす

間取り変更や仕上げ、住宅設備にコストと手間を割ける

マンションの専有部分(住人が所有し使用する部分)は住戸内に限られるため、構造躯体やサッシ、玄関扉など外周部には手が付けられません。一見デメリットのようにも聞こえますが、その分、コストも手間も住戸内に注力できるわけです。これが、戸建て住宅で築年数が古く、耐震補強を施さなくてはいけなかったりすると、そこに大きくコストを割かれてしまいます。

断熱や気密性能についても、戸建ての場合、基本的には窓を含めた建物全体を対象にして改修するため施工範囲も大きく、住宅性能を上げるコストにある程度の予算を見る必要があります(もちろん、戸建てには戸建てのメリットやリノベする理由があるのですが、それはまた今度)。一方で、マンションは上下左右を隣戸に挟まれていれば、その部分の断熱補強は基本的には不要です。気密性も鉄筋コンクリート造(RC造)で高いため、あとは風の通り道と換気計画が大事になってきます。

設計施工の工務店だから実現できる、木の平屋に住む感覚

既存マンションでよく見るのが、70~75㎡程度の中廊下型2~3LDKのプランです。南北に細長い平面に小割の空間が詰まっていて風が通りにくく、中央のキッチンや水まわりは暗くなりがちです。室内の仕上げもビニールクロスと突板フローリングで包まれていることがほとんどではないでしょうか。

見慣れたマンションの住空間も、ひとたびスケルトンにして一からリノベーションすれば、木の家の質感と平屋の伸びやかさを実現することができます。必要な場所だけ個室化して、間仕切り壁をなくせば風通しが得られますし、中廊下をやめて間取り変更をすることで回遊動線も生まれます。

造作収納を採り入れれば、空間全体に統一感が生まれて、限られた面積の室内でもすっきりとした印象になります。下の写真は築48年の団地リノベーションですが、断熱補強で既存の窓に木製内窓を新設し、雰囲気を合わせた造作収納で壁面を一体的にデザインしています。

実際、鈴木工務店のリベーションでは、間取りの変更で風通しが良くなり、窓の結露も解消されたり、断熱補強も相まって室内の温度差が和らいだりと、住環境も改善されています。

また、新築もリノベーションも無垢の木材をはじめとする自然素材を使う方針に変わりはありません。床と壁の一部を同じ無垢板で仕上げたり、珪藻土を用いたり。入居して数年経つオーナーからも、「玄関を入った瞬間から木の香りが感じられる」という声が聞かれます

駅近+住宅性能向上リノベで資産価値を保つ、生かす

マンションを選ばれる方は、駅近などの利便性を重視している方が多い印象です。不動産屋いわく、マンションの資産価値は立地。立地がよく、住環境が改善された住まいなら、築年数を経ていても先々貸したり売ったりもしやすいと言えそうです。

なにより、夏の暑さや冬の寒さも光熱費も軽減され、収納や動線計画による使い勝手の向上、開放的な間取りと自然素材の風合いによる居心地のいい空間は、住む人にとって代えがたい資産となります。

【マンションリノベの注意点とは】

・監理状態の良いマンションかどうか
・眺めはよいが断熱に弱点をもつ角部屋、最上階
・規約のチェックはしっかりと
・解体して分かる問題点への対応力
・工事中の配慮

管理状態のよいマンションかどうか

これから中古マンションを購入してリノベーションを検討する場合には、構造躯体に手を付けられない分、築年数に関わらず管理状態がよいことが前提条件です。また管理組合にきちんと図面が揃っていることが望ましいです。ご相談に来られる方は分譲時の不動産図面しか手元にないことが多いのですが、組合できちんと保管されている場合がありますので確認してみましょう。

修繕積立の滞納率や、修繕自体が計画に沿ってきちんと行われているかも大事なポイントです。せっかく専有部分をリノベーションしても、管理状態が悪いとマンション自体の資産価値が下がりかねません。

眺めはよいが断熱に弱点をもつ角部屋、最上階

断熱性能については、上下左右を隣家に挟まれている場合は問題ないのですが、角部屋や最上階は外気に触れる面積が大きいため注意が必要です。RC造はひとたび熱をもつと冷めにくく、冷えれば暖まりにくいので、外気の影響を極力防ぐことが肝心です。断熱が施されていたとしても十分でない可能性がある場合は、壁や天井に断熱材を付加することをおすすめしています。

また築年数を経たマンションや団地の場合は、アルミサッシのシングルガラスがほとんどですので、内窓の新設などで窓回りの断熱性能を高める提案をしています。

規約のチェックはしっかりと。施工や工期に関わります

管理組合で定めているマンション規約には、リノベーションに関する事項も記載されています。事前に入手してから計画を立てましょう。例えば、水まわりの移動を禁止していたり、防音の観点から床材を限定しているケースもあります。

また、工事時間や曜日の制限、資材の搬入経路や養生の範囲について細かい決まりごとがある場合も。工事に関わる決まりごとは工期に直結します。場合によっては、余裕のある工期を見越して仮住まいの計画を立てる必要があるでしょう。

解体して分かる問題点への対応力

戸建でもマンションでも、解体してみてはじめてわかる既存状態も多々あります。詳細図面がない場合には、配管の納まりが想定と異なる、などのケースも。また、仕上げも下地も撤去してスケルトン状態にした後、RCの床の不陸(デコボコ)調整も不可欠な要素となります。

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「解体して分かる〇〇」は、リノベあるあるなのですが、現場での判断やプラン変更などに関わる場合、設計・施工サイドには柔軟な対応力が求められます。オーナーサイドには、コスト的な余裕をもっておくことが必要に。一方で、戸建てと異なりマンションは「躯体がシロアリにやられてた」などの構造に関わる問題は(専有部分では)ほとんど生じないので、不測の事態は限定されることもメリットのひとつかもしれません。

工事中の近隣や共用部への配慮

築年の浅いマンションでは、まだリノベーション工事が入った例が少ない、またはない場合もあります。近隣住人によっては、工事に免疫がなく、クレームにつながることもゼロではないでしょう。未然に防ぐ意味でも、やはり管理規約をチェックして、ルールに沿ったリノベーション計画を立てることが肝心です。また、管理組合にこれまでのリノベーション事例の有無やトラブルの有無を参考までにと聞いてみるのも手かもしれません。

逆に、ある程度築年数を経たマンションでは、リノベーション工事も複数入っていることがほとんど。住人も工事に慣れがあり、お互い様の気持ちも生まれ、スムーズに工事が進みやすい傾向にあるようです。

工事する側は、築年数によらず近隣やエントランス・通路など共用部への配慮は必須です。オーナー同様、規約を理解し遵守すること。身だしなみや挨拶、掃除などのマナーは言うまでもありません。マンションリノベーションを経験しているつくり手であれば、基本的な姿勢や気遣いが重要であることを理解しているはずです。円滑な工事は、オーナーが住み始めてからの円滑なご近所づきあいに直結します。

【マンションリノベでも“木の家のつくり手”による特徴が生かせます】

建築費の高騰により、土地探しからの家づくりは以前よりハードルが高くなっているのは事実です。一方で、住宅ストックを活用したリノベーションに注目が集まっています。戸建てリノベは言わずもがな、前述したようにマンションリノベでも木の家のつくり手の特徴が生かせます。平屋の注文住宅をマンションで実現すると思うと、なんだかワクワクしませんか?

第一次住宅取得世代といわれる子育て世代以外にも、DINKSの夫婦や、子育てが終わった夫婦による暮らし替えの魅力的な選択肢になり得ます。実例はHPのWorksでご覧ください。blogでも発信しています。

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