ライフスタイルの変化を見据えた、 上下階横割り型の二世帯住宅。 家族の気配を感じられる、心安らぐ家づくりをご紹介します。
二世帯共通のテーマは暖かい家
40代のOさんご夫婦は今から9年ほど前に家を建てようと土地探しを始めましたが、土地価格やエリア選びの観点から決断できずにいました。同じタイミングで奥様のお母様から「マンションに引越したい」という声を聞き、「じゃあ一緒に住もうか」と自然な流れで二世帯住宅の話が進んだそうです。
Oさんご夫婦はともに大学で建築を学んでいたこともあり、初めから家づくりには積極的でした。奥様が好きな建築家の住宅事例からOMソーラーの存在を知り、「暖かい家」を目指して調べるうちに鈴木工務店にたどり着いたといいます。同社の提案する木の家づくりにも惹かれ、見学会に参加するなどして具体的な暮らしのイメージを膨らませていったそうです。
「暖かい家になる前提で間仕切りを少なくしました。土地を探しながら自分でも設計プランを考え、図面も引き、希望通りの回遊動線を叶えていただきました」(Oさん)
OMソーラーは予算の関係で諦めましたが、家の断熱性能を高め、ダクト式エアコンで暖かさを実現しています。ご両親のMさんも「前の家が北斜面で冬場寒かったので暖かい家が第一の希望でした」と話します。
互いの生活に配慮した横割りの二世帯住宅に
O・M邸は玄関のみ共有とした部分共用型の二世帯住宅です。1階にご両親世帯、2階に子世帯が独立して生活できる構成です。
「水まわりは一方が使っているともう一方が使えなくなりますし、そもそも生活時間帯が違うので最初から別にしようと決めていました」(O・Mさん)
階段を中心に配した機能的な動線で上下階の行き来もスムーズです。お子さんが小さかった頃はOさんご夫婦が帰宅するまで1階のご両親のところで過ごすなど育児面でのサポートも得られたといいます。そのお子さんもいまは中学生。一昨年の冬に自室を与えることになり、元々子ども室になる想定をしていた2階北側の洋室に間仕切りを設置。ライフステージの変化に合わせて住まいの形も変化させてきました。
独立した空間も、一緒に過ごす時間も楽しめる家
家づくりを振り返ってOさんは、「たくさんのサンプルを見たり、図面を引いたり、家づくりは楽しい思い出です。鈴木工務店は設計の打ち合わせを夜遅くまで付き合っていただいて本当にありがたい存在でした。暮らしてみて感じますが、暑い、寒いがないのがいいですね。旅行に出かけて帰ってくると『やっぱり家が一番』と思います」
お父様は書斎でギターや筋トレに励んだり、庭で家庭菜園をしたり。Oさん奥様も休日はダイニングで木彫りや手芸をするなど各人、家時間を楽しんでいます。世帯間の交流も多く、秋口には1階のデッキでバーベキューを、お正月にOさんのお兄様家族が来た時は、三世帯が2階のダイニングテーブルを囲んで食事したそうです。
プライベートな空間を確保しながら、一緒に過ごす時間も大切にするO・M邸。体も心もほっと休まる、暖かい我が家を満喫しています。
text/Rie Shimizu
photo/Chika Suzuki
発刊/2024年5月
竣工当初の写真はこちらのWorksの「心和む」でご覧になれます。