泉鏡花が幼き頃に遊んだ久保市乙剣宮(くぼいちおとつるぎぐう)にお詣りして、大ケヤキの横を通り過ぎると「暗がり坂」に続きます。この日は夕方で曇天が重ねってまさに「暗がり」坂でしたが、駒返しの紅殻格子が艶やかさを醸していました。芸妓さんのお稽古場からは、御囃子の稽古する音は聞こえては来ませんでした。この坂の近くには作家の五木寛之さんが名付けた「あかり坂」があります。浅野川に沿って主計町の茶屋街が軒を連ねており、レストラン、カフェに変わっていますが昔の趣は今も残っています。
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