可喜庵にて現在開かれている“にほんでざいん展”が、面白いです。
ていうか今回の展示作品の中心である、戸田光祐さんが、面白いです(笑)
可喜庵での展示申込みがあったものの、当日まで何も音沙汰なく、
PR告知もほとんどしなく、本当に可喜庵で展示なさるのか、実は心配しておりましたが、
11月5日、戸田さんは静かに現われ、ちょこちょこっと、今、可喜庵に作品を並べています。
なんともなんとも、奥ゆかしい・・・
そんなに奥ゆかしくしないで、もっとバシバシPRしていけばいいのにと思いましたら、
ちゃんと伊東屋各店舗で、その作品の一部は、販売されているとのこと。
また、今年グットデザイン賞もとられたようです。
どうりで、静かにちょこんと置かれても、その作品からパワーを感じるはずです。
何ともいえず、みな、素敵です。
戸田光祐さんは、東京工芸大学芸術学部デザイン学科を卒業後、
有限会社山口製作所 にて 『プロダクトデザインを中心に設計、パッケージデザイン、グラフィクデザイン、WEBデザインなど、ブランディングに関わる実務作業と共に、根幹をなす方向性のコンセプトを含むクリエイティブディレクションを担当』なさっているようです。
その仕事に対しては、
『専門の領域である製品については、手で考えることを道具の起源の本質と捉えデザインに従事しています』とのことで、この『手で考えること』という表現が、なんとも面白いというか、彼の作品を手にとった時、まさしく的を得た表現だなぁ~と感心いたしました。
そして『手で考え』創られたものたちを、手にとった時、頭でなく、手が心地よいと答えてくれました。
たまたま最近私が読んだ本の一節に、物と会話をしよう!というようなことが書いてあって、そう、例えば食器を洗うという一つの行動をとってみても、「さぁ~これからシャワーを浴びさせてあげるよ、気持ちいいだろう」と声をかけることが大事らしいんです。で、その一節を思い出しました。といっても、戸田さんの作品たちは、向こうから話しかけてきそうな感じですが・・・(笑)
戸田さんとお話ししていると、静かだけれども、パワーを感じる魅力的な方だなと思います。
彼の自身を紹介している本の中に、『吸収と洗練』という言葉を、もっとも大切にしていると書いてあります。『これを意識し生活をすることで、常に向上心を持ち成長していけると考えています』
これもなんとも素敵な言葉です。
でも『吸収』出来るのはその着眼点があるからでこそで、
ましてやそれを『洗練』出来るのは、戸田さんのセンス、才能そのものではないかな?
息子と同じ歳の戸田さんに対して、やっぱり奥ゆかしいなと苦笑してしまう、
ずうずうしいおばさんの西野でした。
ぜひぜひ期間中にお立ち寄りくださいませ(西野博子)