現在計画中の川崎市高津の家では、御両親様が梨園を営まれていて、計画地近くにも梨の木があります。
梨棚の高さは、140cm程度と低目でしたので、お父様にその高さの所以をお伺いしたところ、
「祖父の背の高さで決まっているんだよ。」とのこと、
棚の高さは園主の背の高さで決まり、高くても低くても作業はしにくく、今の若い人の梨園の棚は高いそうです。
人とモノの寸法の関係、住まいと似ていますね。頻繁に使うものは取り出しやすい高さに、高い位置に仕舞われたものはなかなか日の目を見ない、押入れ・布団の収納高さは低すぎても、高すぎても上げ下ろしに負担になるなど。
この梨の木は戦前から育っているものだそうですが、今でも毎年400個程度の梨が収穫されるとのこと。
今までいくつのたわわな実を実らせ、ほおばる人を幸せにしてきたことでしょう。
(片岡 巌)