麒麟の家
- 家族構成:夫婦+子供2人
- 一世帯
- 平坦地
所在地:綾瀬市早川
延床面積:122.43㎡
竣工年:2012年
お客様の声
家が生活力を培ってくれる K様
古民家の木材を使いたいという思いがあり、茅葺きの可喜庵を継承している鈴木工務店に連絡したところから、家づくりが具体的に動き出しました。がっしりとした古材の梁と柱が組み上がったときは鳥肌が立つほど感動したことを覚えています。大工の皆さんが力を合わせて作業を進める姿がとても印象的で格好よかったです。
自然の残る郊外の土地なので、薪風呂の薪割りのほか野外作業ができるスペースなど、家の内と外も暮らしのステージになるように考えていました。住み始めて、イメージどおりの暮らしができています。小学生の長男は薪の焚火が上手になるなど、生きる力が高まっているようです。冬は薪の準備が一仕事ですが、生活の一部として楽しんでいます。
設計のポイント
大架構の古材を利用したのびやかな住まい
江戸末期に建てられた東北地方特有の「曲家」の古材を使っています。杉、松、栗、欅など、以前、民家が建っていた敷地周辺の山から切り出した木材です。材料が大きく、柱と柱の間は6尺3寸(1910mm)。柱の背も高いため、小屋組みの間を利用して中2階に隠れ家のようなスペースをつくりました。
古材の大架構によるのびやかな空間を快適に保つためには、安心できる構造と気持ちのいい温熱環境の確保が欠かせません。耐震強度は、屋根を軽くし、架構をボルトで緊結することで高めています。また、古材を組み上げた大空間の冬の冷え込みを防ぐために、断熱性能を高め、太陽熱を家に取り込むOMソーラーで建物をあたためています。家族の気配が伝わるオープンな空間と、足元からあたたかい快適さを得た現代の民家です。